「めちゃコミ」に掲載されている「声なきものの唄～瀬戸内の女郎小屋～」第68話のネタバレと感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

チヌの見舞いから帰ってきた公三郎の前に大多和が連れてきたのは、公三郎の嫁候補である乾たまきです。たまきは若水家の後援で、10年前アメリカに留学した才女です。 しかし国費留学先のアメリカから帰ってきても、たまきが相応のポジションで働くことは出来ませんでした。

そんなところに大多和から、"公三郎の嫁にならないか"と誘われたのです。元々留学に行く前に挨拶に寄った若水の家で公三郎に出会っていたたまきは、公三郎にひそかに想いを寄せていました。 "その想いが叶うなら、喜んで公三郎の嫁になる。"とはっきりと言ったたまきは、大多和と共に若水の家を後にします。

たまきが気になることは1つ。公三郎が想いを寄せているという娼婦、チヌのことです。 たまきは例え公三郎の妻になれなかったとしても、公三郎に真っ当な道を歩ませると誓うのでした……。

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一方公三郎を庇って傷を負ったチヌの元に、美緒と巴太夫がお見舞いに駆け付けていました。 おヒィの足型をお土産にもらったチヌは思わず騒いでしまいます。

ここは娼婦が行く検梅病院ではないため、一般の看護師たちからやっかまれてしまいました。そこへ巴太夫は高価な茶菓子を持って、挨拶に向かいます。巴太夫のあまりの美しさと気高さに、すっかり看護師たちの態度は緩みました。

落ち着いたことを確認して病室へと戻った巴太夫はチヌの傷を見て、涙を浮かべます。あまりにも大きな傷です。巴太夫に釣られて涙をこぼすチヌと美緒。

3人ともコーヒーを飲んで落ち着いたところで、チヌが最近の見世の様子を尋ねました。 巴太夫は、栄太とおイトの結婚話をチヌに伝えます。

その頃同じ病院に入院している滋の元に、祖父が訪れていました。"体が弱いなら寺に叩き込むぞ。"と祖父に脅された滋。祖父は"京相家の跡取りは滋一人しかいないのだから、健康でないとならない。"と滋に圧を掛けます。

祖父が帰ろうとした時、丁度同じ頃帰ろうとしていた巴太夫の姿を見かけます。なぜここに娼婦がいるのかと祖父は怒りを露わにし、滋に"ああいう女と関わるな"ときつく言いつけました。

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昔まだ娼婦になったばかりの頃、巴太夫は先輩達から教えてもらったことがあります。 "客に抱かれているときは情夫を想っていればいい。" しかし客のことをバカにするような先輩達の態度を、巴太夫は好きになれませんでした。

見舞いを終えて、見世へと帰ってきた巴太夫はお職として贔屓の隅田を自室で迎え入れます。しかし今、頭に浮かぶのは久米の背中。

嫌っていたあの人たちと同じ、客を見下す娼婦へと成り下がってしまいました。

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その日の夜、チヌの病室を訪ねる人がいました。チヌの客の岸です。医師である岸が病室にいるのはおかしいことではありませんが、岸はチヌが寝ている間にチヌの病院着を脱がしていたのです。

岸は、"旦那選びは楽しかったか？"と尋ねてきて–––––––––！？

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大きく話しが動き出しそうですね。一番は公三郎とチヌの関係ですが、印象に残ったのは巴太夫の感情でした。これまでも気高く過ごしてきて、チヌが危ないときには手を貸したりとまさに理想の娼婦の姿でしたよね。でも、そんな巴太夫でも頭から離れない人が出来るとは、恋や愛って難しいと痛感しました。