【最新76話更新】「声なきものの唄～瀬戸内の女郎小屋～」のネタバレと感想まとめ

「声なきものの唄～瀬戸内の女郎小屋～」のネタバレと感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

たまきの元で世話になりながら勉強を教えてもらうチヌ。飲み込みが早く、勉強に前向きなチヌの姿に、たまきも考えが変わってきました。そんな時、若水の家に戻った公三郎はたまきとの結婚を急かされます。チヌを囲っている公三郎はその言葉にいい返事をすることは出来ませんでした。

一方、チヌはたまきが金の無心をしてくる兄に身銭を切ってまで 金を渡しているところに遭遇します。幸い、その場は収まりますが、兄たちの目はチヌに向いていてーーー!?

若水一家が勢ぞろいしましたね。公三郎の母は公三郎が駆け落ちしたことをショックに倒れ、それから半身不随。遊び人の父はその介護のために家に戻ってきました。

一見すると歪な家族にも見えますが、剛毅だった母が倒れたことで自分に頼ってくれるのが父は嬉しくて仕方が無い様子です。なんだか、こうして見ると公三郎が駆け落ちをしてからの方が若水の家は良いように見えますよね。

それにさすがに元々遊び人だっただけあって、父は公三郎の女遊びに寛容です。この分なら公三郎がたまきを選んでも、チヌを選んでも酷い文句は言わなさそうです。たしかに家のことを考えれば、たまきとの結婚の方がいいに決まってます。でも、それが幸せかと言えば、公三郎にとっては違いそうですよね。

どちらを選ぶことになっても、チヌもたまきも強い女性です。どうか幸せになって欲しいですね！

海外留学を経験し、珍しい学問を修めた女性、たまき。そんな彼女にとって、身分も分からない荒くれ者たちと付き合い、金の無心ばかりしてくる兄は目障り以外の何者でもありません。 ただ、放っておくと何するか分からないため、金を渡してつなぎ止めておくくらいの感覚だったのでしょう。しかし、その要求がエスカレートして、ついにたまきは大事にしていた洋書まで質に流してしまいました。

もしも、あの時チヌが目に入らなかったら、本当に大事な本や思い出の洋服まで手をつける羽目になっていたと思うので、チヌはたまきにとって救世主となりましたね。ですが、兄が汚点な事実は変わりません。それどころか、兄は金のためにチヌをさらう計画に乗ってしまっています。もしもさらわれるのがたまきであれば、被害者として悲しまれ、結婚話が立ち消え、なんてことも上手くやれば避けられるはず。

しかし、これで被害者がチヌになり、もしもたまきが手引きしたと疑われたら？その時は結婚話は立ち消えるどころか、心が狭い女性だとたまきにレッテルが貼られてしまいます。

たまきが兄から誘拐計画への共謀を持ちかけられても断れるよう祈るばかりです。

なんだか雲行きが怪しくなってきましてね。 たまきとチヌが仲良くなって、正妻はたまきに、妾はチヌとなっても上手くいくんじゃないかと期待し始めた矢先です。しかもこの不穏な空気を作る原因はたまきの兄。この騒動にたまきが巻き込まれないはずがありません。

お願いだからたまきとチヌに芽生え始めた友情が壊れないで欲しいですね。

第71話〜第75話の感想は準備中です。

ようやく退院の目途が立ちましたが、しばらく仕事はお休み。そう言われて散歩に出たチヌでしたが、そんな彼女の前に現れたのは狂気に満ちた目をした岸でした。
元々この時代の結婚は、家同士の結びつきのためにあるもの。そのため疑似恋愛が楽しめる、娼妓の仕事が普及しています。つまり世情的に恋情に疎い岸は、<チヌが自分を好いている>と勘違いしてしまいました。

チヌを手に入れるために岸が考えた作戦は、顔に傷をつけて娼妓として仕事が出来ないようにすること。見受けの出来ない岸の取り出した小刀に、思わずチヌは逃げ出しました。しかしチヌの足で逃げ切ることは出来ません。そこに現れたのは、滋と彼に連れられた公三郎と後藤田でした。

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その後岸は後藤田と公三郎にきつくお灸を据えられ、八津への出入り禁止となります。チヌの怪我は、幸いにも足の捻挫だけ。ですが気になるのは"母が弟を産んだ。"と口走った滋です。
滋は岸相手に太い木を振り回して戦ったせいか、高熱を出してしまいました。熱に浮かされる滋が思い出すのは、妾奉公に行ったという母の話。

祖父は詳しく教えてくれませんでしたが、それが体を売るようなことで、京相家は母のおかげで食べていけることがわかりました。 祖父曰く"妾ではなく側室だから格が違う。"とのことでしたが、滋にとってはどちらも同じく気色悪く感じてしまいます。

そして滋が"弟が産まれた。"と言ったのは、祖父が滋の見舞いの際に"母が男を産んだから、奉公先で邪険に扱われずに済む。"と零したからです。

熱に魘されながら母親を呼ぶ滋。そんな滋を見まいに来たチヌは、ぎゅっとその小さな体を抱きしめました。実は公三郎から滋の母の話を全て聞いてしまったチヌ。大嫌いな女郎に抱かれているのに、滋はうとうととまた眠りについてしまいます。チヌはこれまでの滋の自分に対する態度から、滋自身も事情を知っていることに気が付き思わず涙を零しました。

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その頃、たまきは若水邸にいました。思い出すのは、人前で泣いてしまったのに呆れることなく相手をしてくれた公三郎のこと。日本の男性にはない心遣いに思わずときめいてしまったたまきですが、そんな彼がチヌに入れあげているという話を聞いて、居ても立ってもいられなくなりました。

なんと使用人をこってり脅して、チヌの入院している病院までやってきてしまいます。一体公三郎に借家まで用意させる女はどこだと探していると、近くの部屋から"公三郎様の借家に私が住むんですか？"と驚く声が聞こえてきて–––––––⁉

チヌが無事でよかったーーーー！
というより、岸もなんかちょっとかわいそうですよね。恋愛もせずに結婚をしたせいで、ろくに恋愛経験を積むことが出来なかった状態で見つけたのが娼妓なんて。勘違いしちゃう気持ちもちょっとわかります。それでも誰かを傷つけるのは絶対にダメですけどね！助けにきた公三郎も後藤田もすっごくカッコよかったです！
一番カッコよかったのはもちろん滋です！彼もまた辛い背景を背負っていました。いつかチヌと分かり合って、仲良くなってほしいですね！

気付かぬうちに病室で岸と2人っきりになってしまったチヌ。旦那候補である岸の雰囲気は異様なもので、思わずチヌは体を硬くします。しかし、そんなチヌをよそに岸は早口で話し始めました。

取り立てて目立ったところのない岸の毎日に突然現れたチヌは、まさに青天の霹靂。気位の高い遊女たちの中で、素朴に微笑むチヌに一目惚れした岸はかなり入れ込みました。結果として旦那候補に名乗りを上げ、その影響か岸は周囲からの視線を集めることになり、それが存外気持ち良かったと言います。

まだチヌの旦那となることを諦めていない岸。 迫りくる岸にチヌは恐怖を覚えますが、そのタイミングで公三郎を連れたクマが戻ってきました。さすがの岸もこれではなにも出来ません。口惜しそうに病室を逃げ出す岸。その手にはこっそりと盗み出したチヌの腰巻があります。うっとりとそれに頬を寄せる岸。その様子はまさに狂気そのものでした。

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なんとか岸の魔の手から逃れたチヌですが、その頃なんと公三郎の結婚相手にと連れて来られたたまきが、チヌに会いに行くと若水邸で騒いでいました。もちろんそんなことは許されません。人力車に乗って町中を見て回ることになったたまきですが、諦めきれないたまきはチヌに会えないなら矢津遊郭へと足を向けさせました。

なんと矢津遊郭の前にいたのは公三郎。さすがの公三郎も慌てふためきますが、口から出てくるのは、遊女の存在を肯定するものばかり。冷静に装っていたたまきですが、遊女に入れあげた上に出奔までした兄のことを思い出し、"こんな場所、穢れています！"と言い放ちました。

その言葉に遊女の在り方に悩んでいる公三郎は、なにも言い返せませんでした。

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一方チヌは、病院で退院してからも2ヶ月ほどは復帰を待つようにと言いつけられました。見世に居場所がなくなると焦る反面、完治したら公三郎が来てくれなくなってしまうのではと考えたチヌは、散歩をしながら涙を流してしまいます。

何日も横になっていたせいか、少し歩いただけでチヌは息を切らしてしまいます。疲れて近くにある木立に背中を預けたチヌ。その背後からぬっと顔を出したのはあの狂気に満ちた目をした岸で––––––––⁉

鳥肌の止まらない69話となりました。 チヌと公三郎のすれ違いは相変わらずのようなので、きっと上手く行くと信じていますが、間にたまきがいるので心配ですねという感じです。しかしなんといっても今回の特筆すべきは岸の異様さでしょう。これまでは穏やかなお医者の先生という感じでしたが、その裏には執着心と自己顕示欲の強い本性が隠されていました。 人気のない木立の中、出会ってしまったチヌと岸。想像するだけで背筋がぞーっとしますね。

チヌへの見舞いへ行った公三郎と後藤田。チヌは島にいては出会えなかった人達と出会えて幸せだと、泣いて喜びます。チヌの見舞いから借家に帰った公三郎ですが、家の前に大多和と公三郎の嫁候補である乾たまきが立っていて–––––––！？

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第61話〜第65話の感想は準備中です。

第54話〜第58話の感想は準備中です。

早みどりの元夫の利一が酒場でかなり酒を飲みながら久米と話しています。 久米は矢津の若様を知らないふりをしているので、利一はまだまだ若様からお金を巻き上げられるなど話していて、ついには酔いつぶれてしまいます。

その後、久米は若水邸へ報告へ来ました。 久米は関西にいった際に、千鳥の姉の行方を探っていました。しかし帰ってきたら、若様が千鳥から早みどりに乗り換えていたので、これ以上姉の行方を探ることに意味があるのか、若様に問いかけます。

しかし、千鳥の姉を発見することが千鳥への罪滅ぼしになるという若様の思いを聞いて、報告することにします。 千鳥の姉は四国に売られ、精神的にもおかしくなっていると報告します。

矢津遊郭の東陽楼。 千鳥も店に出ています。

千鳥の旦那候補5人のうちの1人、岸が店に上がります。 岸は何かほしいものがあるならなんでも言ってほしいといいます。すると千鳥は欲しいものを言うのではなく、なぜ女は身を売るのか、と岸に質問します。

その時は、岸から望んだ答えを得ることはできませんでした。

後日、恵に会った千鳥。 千鳥は恵が救世軍ではないかと尋ねます。

完全に油断していた相手にばれてしまった恵はばらされるのではないかととても焦ります。 しかし、千鳥が言ってきたことは恵が思ってもいないことでした。

それは、千鳥が世の中のことを教えてほしい、と言ってきたことです。 そこで恵は、女郎を無知にして、だましやすい状態にしているのだと教えます。

自分の借金がいくらあるか、毎月どれくらい返せているかを、女郎たちが知らない方が店側には都合がいいのです。 だから、ごまかしの計算を見抜くために算術はやるべきだから、手紙を通じて恵が教えると言います。

恵は、内心、東陽楼の二枚目を自由廃業することができたら宣伝材料になるのでは、と考えていました。

若水邸にて、早みどりは寄木細工を開けようとしますが苦戦します。 若様がサポートすると箱は開き、中からなんと指輪が出てきます。若様についてきてよかったと喜びに浸る早みどりでした。

しかし、早みどりは利一が東陽楼を訪れているところを目にしてしまいます。 そして、利一の借金も若様が払っているし、若様も利用されている事実を聞き、早みどりを絶望させます。

東陽楼では千鳥が恵とのやりとりを通じて日本という国、女はなぜ体でお金を稼ぐのか、について詳しくなっていきます。

美緒は買い出しの際に後藤田に会い、千鳥と早く結婚するように言い、一緒に千鳥のところへ行きますが、寝ていたので起こさずに立ち去ります。

料亭で、後藤田と早みどりは偶然出会います。後藤田は早みどりに嫌味と、寿子嬢に顔が似ているから結婚できただけだと言います…。

夫に捨てられてしまった千鳥ですが、東陽楼で逞しく生きている姿にホッとしました。 とはいえ、暇な時があると若様のことを思い出してしまうので、勉強に稽古といろいろ頑張りすぎている感じもします。

早みどりに嫌味を言わずにはいられなかったり、寝ながらうっすら涙を浮かべている千鳥をそっと見守る後藤田の姿に愛を感じました。 2人の行く末が気になりますね。

　一方、いい暮らしをさせてもらっている早みどりですが、元夫の利一の行動に悩まさていたり、嫌味を言われたり、と前途多難な感じがします。 若様と2人でいる時は幸せそうなのですが、早みどりの今後も気になります。

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